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【管理職必見】部署で頻発する「仕事のドッチボール」と「ルーズボール」問題をどう解決するか?

お疲れ様です。

今日は『仕事のドッチボール』というテーマで記事を書きます。

 




はじめに

 

 

 

みなさんの部署でも、こんな場面はありませんか?

ある日、突発的に発生した新しい業務。明確に「このグループの役割」とは言い切れない仕事です。そこで始まるのは「どっちがやるのか」という押し付け合い。まるでドッチボールのように、業務があちこちに投げ合われます。

 


しかし、投げ合いの末、誰も拾わない「ルーズボール」になってしまうことも。結局、打ち合わせは進展しないまま終わり、オーナーシップを持つ人が現れない──。

 


これは、私の所属する部署でもよく見られる光景です。そして、この問題は管理職や管理職を目指す人にとって大きな学びのポイントでもあります。

 


今回は、「仕事のドッチボール」や「ルーズボール」がなぜ起きるのか、そして管理職としてどう対応すべきかを考えていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

部署の現実:「役割が明確に当てはまらないジョブ」は必ず発生する

 

 

 

部署を複数のグループに分けて役割を定めるのは、効率的な組織運営の基本です。品質管理、営業、調達、生産、総務──どんな部署でも、担当範囲はきっちり線引きされています。

 


しかし、現実には「線の外」にある仕事が頻発します。たとえば、

 


新しい顧客からの特殊な問い合わせ
部署横断で対応しなければならないトラブル
一時的に生じた“グレーゾーン業務”

 

 


こうした仕事は、「担当を決めないと誰も動けない」タイプのもの。そこで問題が起きます。

 

 

 

 

 

 

ドッチボール化する会議

 

 

 

担当が曖昧な仕事が舞い込むと、会議での光景はこんな感じです。

 


Aグループ「これはBの領域じゃないですか?」
Bグループ「いやいや、最初の起点はAですよね」
Cグループ「横断的なテーマなので、全体で検討した方がいいのでは?」

 

 


一見、冷静な議論に見えますが、実態は“責任の押し付け合い”。

誰かがキャッチしない限り、ボールは宙を舞い続けます。

 


そして、最後には「とりあえず保留にしましょう」と結論づけられ、ボールは地面に落ちたままのルーズボール状態になるのです。

 

 

 

 

 

 

ルーズボールの放置が招くもの

 

 

 

ルーズボールを拾う人がいないまま業務が放置されると、どんなリスクがあるでしょうか?

 


業務の遅延
 対応が後手に回り、問題が大きくなる。
顧客や関係部署の信頼低下
 「この部署に任せても動かない」と評価が落ちる。
メンバーの不信感
 「結局うちがやらされるのか」という不満が蓄積する。

 

 


こうした連鎖が、組織全体のパフォーマンスを確実に落としていきます。

 

 

 

 

 

 

原因は「オーナーシップの欠如」

 

 

 

なぜルーズボールが生まれるのか。その本質は、オーナーシップの欠如にあります。

 


オーナーシップとは、「自分が責任を持ってやり切る」という姿勢のこと。

担当範囲外であっても、「まず自分が拾う」と考える人がいれば、ルーズボールは存在しません。

 


しかし、多くの職場ではこうした心理が働きます。

 


「自分の評価に直結しない仕事は避けたい」
「余計な負担を背負いたくない」
「どうせ誰かがやるだろう」

 

 


結果として、ボールは地面に転がったままになります。

 

 

 

 

 

 

管理職に求められる役割

 

 

 

では、管理職やその候補となる人は、この状況にどう向き合えばいいのでしょうか。ポイントは3つあります。

 

 

 

1. ボールを拾う文化を育てる

 

 

 

まずは、自ら率先してルーズボールを拾う姿勢を見せることです。

「範囲外だからやらない」ではなく、「まず動いてから巻き込む」。その背中を見せることで、メンバーにもオーナーシップが波及していきます。

 

 

 

2. グレーゾーンをルール化する

 

 

 

一度発生したグレーゾーン業務は、また発生します。

発生のたびに揉めるのではなく、次回からの対応ルールを明確化することが重要です。

 


「この種類の問い合わせはAが一次対応」
「全体横断の課題はCが事務局を持つ」

 

 


こうしたルールが、次のルーズボールを防ぎます。

 

 

 

3. “決める場”をつくる

 

 

 

ルーズボールが起きる背景には、「誰も決めない会議」の存在があります。

管理職は、議論が迷走しそうなときこそ「では、この件はBが一次対応でよいですね?」と明確に線を引く役割を果たさなければなりません。

 

 

 

 

 

 

オーナーシップをどう浸透させるか

 

 

 

オーナーシップ文化を根付かせるには、日常的な働きかけが欠かせません。

 


小さな成功を称える:「率先して拾ってくれて助かった」と口にする
見えない努力を見える化する:拾った仕事がどれだけ部署を助けたか共有する
評価に反映する:単純な成果だけでなく、オーナーシップ行動を評価基準に入れる

 

 


これらを積み重ねることで、自然と「誰かが拾う」から「自分が拾う」へと意識が変わっていきます。

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

 

 

「ドッチボールからのルーズボール」。

これは一見ユーモラスな比喩ですが、実際には多くの職場で生じている深刻な問題です。

 


役割が曖昧な仕事は必ず発生する
押し付け合いの結果、ルーズボールが放置されると大きなリスクになる
解決のカギは、管理職によるオーナーシップ文化の育成と、ルール・決定の明確化

 

 


管理職やその候補である私たちが意識すべきは、「誰かがやるだろう」ではなく、「まず自分が拾おう」という姿勢です。

その一歩が、部署全体の信頼を高め、組織の成果を引き寄せる力になります。

 

 

 

 


👉 次の会議で「ルーズボール」が転がったら、ぜひ思い出してください。

「今、このボールを拾えるのは自分かもしれない」と。