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マネジメントは人ではなく仕事を管理すること―管理職が誤解しやすい本質とは?

お疲れ様です。

今日は『管理職がマネジメントするのは人ではなく仕事』というテーマで記事を書きます。

 


はじめに

 


管理職やリーダーとしてチームを任されると、多くの人が「人を管理しなければ」と考えます。

「部下をコントロールしないと成果は出ない」

「チームメンバーをしっかり監督するのが自分の役割だ」

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このように考えるのは自然ですが、実はここに落とし穴があります。

マネジメントとは人を直接コントロールすることではなく、仕事をマネジメントすること が本質なのです。

 


今回は、「マネジメント=人の管理」という誤解を解きほぐし、管理職に必要な“仕事のマネジメント”という視点を解説していきます。

 

 

 


1. なぜ「人のマネジメント」と考えてしまうのか

 


まず、多くの人がマネジメントを「人を管理すること」と捉える背景を考えてみましょう。

• 部下の行動を監督するのが上司の役割だと思っている

• 成果が出ないと「部下のやる気が足りない」と考えがち

• 人間関係の調整やトラブル対応がマネジメントだと教えられてきた

 


こうした経験から、「人の感情や行動そのものをコントロールしなければ」と考えてしまいます。

 


しかし、人の感情や性格は、そう簡単に変えられるものではありません。

「人を管理しよう」とすると、部下も上司もお互いに疲弊してしまうのです。

 

 

 


2. マネジメントの本質は「仕事のマネジメント」

 


経営学ピーター・ドラッカーも述べているように、マネジメントの本質は 「人ではなく仕事を対象にする」 ことです。

 


つまり、管理職の役割は「人を動かすこと」ではなく、

• 仕事の目的を明確にする

• 役割と責任を整理する

• プロセスを見直して効率化する

• 成果を測定し、改善につなげる

 


といった「仕事の仕組みをデザインすること」なのです。

 


人は仕事を通じて成長し、成果を出すものです。

だからこそ、マネジメントすべき対象は「人そのもの」ではなく「人が担う仕事」なのです。

 

 

 


3. 「人をマネジメント」しようとすると起きる弊害

 


人そのものを管理しようとすると、次のような弊害が生まれます。

• 上司が“監視者”になる

部下は自由に意見を言えず、萎縮してしまう。

• 感情論に振り回される

「やる気がある・ない」といった曖昧な評価に頼りがちになる。

• 属人的なチームになる

部下の性格に依存したマネジメントとなり、仕組みが回らない。

 


結果として、チーム全体のパフォーマンスは安定せず、上司も「人を動かす難しさ」に疲弊してしまいます。

 

 

 


4. 「仕事をマネジメント」する具体的な視点

 


では、どうすれば「仕事のマネジメント」ができるのでしょうか。ここでは4つの具体的な視点を紹介します。

 


(1) 目的を明確にする

 


「なぜこの仕事をやるのか」をチーム全員が理解しているかを確認しましょう。

目的が曖昧なままでは、人は迷い、不安になり、不満が生まれます。

 


(2) 役割を整理する

 


誰がどの仕事を、どの範囲まで責任を持つのかを明確にすることが大切です。

役割が重なれば摩擦が生まれ、抜ければミスにつながります。

 


(3) プロセスを整える

 


「努力や根性」ではなく、仕事の流れを仕組み化することが重要です。

チェックリストやツールを導入するだけで、不安や属人化は大幅に減ります。

 


(4) 成果を測定する

 


「頑張っているかどうか」ではなく、数字やアウトプットで評価できる仕組みをつくることで、感情ではなく事実に基づいたマネジメントが可能になります。

 

 

 


5. 仕事をマネジメントすれば、人は自然に動く

 


不思議なことに、仕事の仕組みを整えると、部下のやる気や主体性は自然と引き出されます。

• 目的が明確になれば、迷わず動ける

• 役割が整理されれば、責任感が芽生える

• プロセスが整えば、余計なストレスが減る

• 成果が見える化されれば、達成感を得られる

 


つまり、 人を直接動かそうとしなくても、仕事を整えれば人は動く のです。

これこそが、マネジメントの本質です。

 

 

 


6. 管理職に求められる「姿勢の転換」

 


管理職やリーダーにとって大切なのは、次の姿勢です。

• 「人をどう動かすか」ではなく、「仕事をどう整えるか」を考える

• 「部下の性格」に目を向けるのではなく、「仕事の仕組み」に目を向ける

• 「監督者」ではなく、「仕事をデザインする設計者」として振る舞う

 


この姿勢を持つことで、チームは安定し、成果が出やすくなります。

そして、部下も「人として管理されている」と感じるのではなく、「仕事がやりやすくなった」と感じるようになるのです。

 

 


まとめ

• 多くの人は「マネジメント=人の管理」と考えがちだが、本質は「仕事のマネジメント」

• 人を直接管理しようとすると、監視や感情論に振り回され、チームは不安定になる

• 目的・役割・プロセス・成果を整理し、仕事を整えることが真のマネジメント

• 仕事を整えれば、人は自然に動き、成果も安定する

• 管理職は「監督者」ではなく「仕事の設計者」であるべき

 


マネジメントの対象を「人」から「仕事」へと切り替えること。

それが、VUCA時代にチームを強くするための、管理職に求められる新しい視点ではないでしょうか。