マインド改革ラボ -1日5分、リーダーの思考法を更新する-

リーダーの思考を5分で問い直すブログ

マネジメントのしんどいさの本質~製薬工場で働く私の視点から~

 

 

お疲れ様です。

今日は「マネジメントと現場作業は、しんどさの種類がちがう。」について、現場で働く方々とマネジメントを担う方々、どちらにも敬意を込めつつ、私自身の経験をもとに記事を書きます。

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私は現在、製薬会社の工場で品質管理の仕事に従事しています。工場にはさまざまな役割の人たちが働いていて、その中で「現場」と「マネジメント」のしんどさには、質的な違いがあると日々感じています。

 

 

 

現場のしんどさは「体力的」なもの

 

 

 

まず現場の仕事は、どうしても身体を使う分、体力的なハードさがあります。立ち仕事が中心で、細かい作業、機器の取り扱い、清掃や搬送など、多岐にわたる作業があり、身体的にはとても負荷がかかります。加えて、製薬の現場は衛生管理や工程管理が非常に厳しく、気を抜けない緊張感の中で仕事をこなしていかなければなりません。

 


この点において、マネジメントを担う側よりも明らかに「目に見える負荷」は大きいのではないかと思います。

 

 

 

一方で、マネジメントは「精神的」にしんどい

 

 

 

一方で、私が感じるマネジメント側のしんどさは、「目に見えない負荷」、つまり精神的なストレスにあります。

それは、仕事のゴールが明確でないという点に集約されます。

 


現場の作業というのは、ある意味で“やるべきこと”が明確です。たとえば、規定通りの手順を守って検査をする、所定の本数を製造ラインから出す、といったように「これをやればOK」という終わりが見えています。だからこそ、どれだけ忙しくても「やり切った」という達成感を得やすい環境です。

 


しかし、マネジメントの仕事には、はっきりとした「正解」や「終わり」が存在しないケースが多いのです。

 

 

 

「最適解がない」中での意思決定

 

 

 

たとえば、チームメンバーのパフォーマンスをどう引き出すか、トラブル発生時にどう収めるか、他部署との調整をどう進めるか――

すべてにおいて「これが100点」という答えはありません。

 


特に品質管理部門では、「品質」「納期」「コスト」「人材育成」のバランスをとりながら意思決定をする場面が多々あります。理想的な落とし所が見えづらい中で、どこかにしわ寄せがいかざるを得ない。そんな状況で、最善を探って決断をしなければならない。

 


しかもその結果が出るのは何週間、何ヶ月も先だったりします。そのあいだ、「あの判断は正しかったのか?」という不安と責任を背負い続ける必要があるのです。

 

 

 

「人」を動かすしんどさ

 

 

 

また、マネジメントは「人」を相手にする仕事でもあります。

数字やデータと違い、人には感情があり、価値観も、立場も、モチベーションもバラバラです。

正論を押し付けたところで人は動かないし、逆に優しさだけでは組織が機能しない。

 


上司として、どう接するのがベストなのか。

時に厳しく、時に寄り添い、時には自分が矢面に立つ必要もある。

こういった「人間関係のバランス感覚」も、マネジメントの難しさのひとつです。

 

 

 

「正しさ」ではなく「納得感」で動く世界

 

 

 

現場は「ルール通りにやればいい」という世界。もちろんその中にも判断が求められる場面はありますが、基準が明確に定められている場合が多いです。

 


一方、マネジメントは「何を選ぶか」も大事ですが、「なぜそれを選んだのか」を説明し、関係者の納得を得ることが求められます。

つまり「正しいかどうか」ではなく、「納得感があるかどうか」が重視されるのです。

 


これは非常に繊細で、理屈だけでは通じません。背景にある組織の文化や、相手の価値観、過去の経緯まで含めて考えなければいけない。まさに「頭を使う仕事」そのものです。

 

 

 

「目に見えない疲労」が積み重なる

 

 

 

こうした精神的な負荷は、なかなか表面化しづらいのが特徴です。

「何をそんなに悩んでいるの?」と外から見れば思われてしまうこともあるかもしれません。

でも、マネジメントを担う人は毎日、「明確な正解のない問い」と向き合い続けているのです。

 


だからこそ、気づかないうちに疲れが蓄積している。

誰にも理解されないまま、ひとりでプレッシャーを抱えている。

そういった意味で、マネジメントのしんどさは、非常に“見えづらい”ものなのだと痛感しています。

 

 

 

まとめ:どちらも尊い、でも種類が違う

 

 

 

現場とマネジメント、どちらがしんどいかという問いに明確な答えはありません。

それぞれに違ったしんどさがあり、それぞれに大切な役割があります。

 


ただ、ひとつだけ確かなことは、

「体を動かすつらさ」と「頭と心を使うつらさ」は、種類が違うということ。

 


どちらの負荷も見えづらく、軽視されがちですが、どちらも等しく尊重されるべきだと私は思います。

 


マネジメントのしんどさに向き合っているすべての人へ。

それは、「楽をしている」わけでは決してありません。

むしろ、見えないところで、たくさんの悩みや葛藤を抱えながら、チームのため、組織のために思考を尽くしているのです。

 


どうか、自分のその姿を誇りに思ってほしい。

私もまた、その一員として、これからも悩み続け、考え続けていきたいと思います。