仕事をしていると、上司から「おまえ、ほんとにできるのか?」と問われることがあります。新しい提案をしたとき、イレギュラーなジョブを任されたとき、あるいはトラブル解決策を示したとき。そんな時に上司は、あえてこの問いを投げかけます。
正直、「そんなの、やってみないとわからない」と内心思う方は多いでしょう。私もかつて、何度もこの問いに「何を根拠にそんなこと聞くんだ?」と感じたことがあります。しかし、今振り返ると、この問いには単なる疑念や圧力以上の意味が隠されていると気づきました。
「できるか?」と問う上司の真意
上司は、提案や策がどれだけ入念に準備されても、不確定要素がゼロになることなどあり得ないことを知っています。提案や行動には必ず想定外の問題や困難がつきまとう。では、なぜ「ほんとにできるのか?」と聞くのでしょうか。
それは、上司が確認したいのは結果ではなく、あなた自身の「覚悟の度合い」だからです。
覚悟を問われている
この問いは「どんな困難があっても、最後までやり切る覚悟があるのか?」という意味です。不確定要素は上司も十分に承知しています。しかし、いざというときに「想定外でした」と諦めるのか、「どうにかしてでも乗り越える」と踏みとどまれるのか。この違いが、結果を大きく左右します。
上司は、提案の中身以上に、あなたがその提案を「腹をくくって」やり抜こうとしているかを見ているのです。
業務遂行の責任は部下、結果責任は上司
組織の中では、業務の遂行責任は部下に、結果責任は上司にあります。現場で動き、判断し、進めるのは部下。しかし、失敗の責任を取るのは上司。だからこそ上司は、部下の覚悟を確認せざるを得ないのです。
部下が「やってみないと分かりません」と言えば、上司は「この仕事は任せられない」と判断します。技術や知識が不足しているからではなく、「いざという時に踏ん張れる人間か」を見ているのです。逆に「必ずやりきります」と腹をくくる部下には、たとえリスクがあっても任せたいと思うものです。
「できます」と言い切るのが難しい理由
とはいえ、「できます」と即答するのは簡単なことではありません。不確定要素が多いほど、「そんな保証はどこにもない」と思うのは自然です。私自身、上司に提案するとき、心の中で「これで本当に大丈夫か?」と不安を感じることはしょっちゅうです。
でも、不安を理由に「無理です」と逃げるのは、覚悟の放棄です。大切なのは「不確定要素を含めたうえで、自分が責任を持つ」という姿勢を示すこと。たとえ保証はなくても、「全力でやりきる覚悟があります」と言い切ることが、プロとしての信頼につながるのです。
心をつかむ工夫と一歩踏み出す勇気
ここで大切なのは、まず自分自身が「不確定要素があっても進む」と心に決めることです。その覚悟があれば、上司からの「できるのか?」という問いも、プレッシャーではなく「自分を試すチャンス」と受け取れるようになります。
次に、実践的なアクションとして、こう問いかけてみましょう。
「自分は、この仕事にどれだけ覚悟を持てるだろうか?」
そして、その答えを「Yes」と心の中で言い切ること。それができたら、もう一歩踏み出す準備は整っています。
まとめ:覚悟が信頼を生む
「不確定要素に対するYesは、覚悟の度合い」。この言葉が示すのは、上司の問いかけの本当の意味です。上司は部下に「不確定要素のない完璧な結果」を求めているのではなく、「どんな状況でも最後までやり抜く覚悟」を求めているのです。
次に「おまえ、ほんとにできるのか?」と問われたら、ぜひ心の中でこう答えてください。
「完璧な保証はなくても、やりきる覚悟はできています」
この言葉が、自分自身の成長と、上司からの信頼を勝ち取る一歩となるでしょう。